銀行が「8億6千万円なら買っても良いよ」と言っている土地を、5億円で売って下さいと言って売って貰えるでしょうか?しかも、社長が顔出しもせず、課長さんが2回行って「5億しか出せないけど売って!」と言って商談が成立するでしょうか。
商売には「落とし所」があります。「10億で」って言えば「喜んで!」と売って貰えるでしょう。「8億6千万円なら」儲からないけど損はしないから考えようか。
「5億円じゃあ」来なくて良いよと言われても仕方がありません。
きっと、課長さんは社長に「買ってくるなよ。買いに行った振りをすればいいんだから。」と言われていたのに違いがありません。
そんなストーリーが伺える出流原PA周辺開発に於ける佐野市の用地買収劇です。
出流原PA周辺開発は、国土交通省・ネクスコ東日本を巻き込んだ一大事業ですから、自分の気分でやめたとは言えない状況ですから、相手に断られた体にしないとカッコがつきません。案の定、佐野市の後で「根抵当権金額」である8億6千万円で民間企業が購入しました。
これで、出流原PA周辺開発の肝であった最大で、スマートインターに隣接するっようちの買収が出来ず佐野市総合計画中期基本計画の出流原PA周辺開発が頓挫した訳です。
これは「第2次佐野市総合計画中期基本計画」からの抜粋ですが、ここには「計画に沿った事業の推進が必要」と謳っています。しかしながら佐野市のホームページの中の出流原PA周辺総合物流開発整備では、「撤廃」とはっきり記載してあります。
(佐野市のHPから)
構想エリア区分及びゾーニングの撤廃と書いてありますが、これまでの構想エリア区分及びゾーニングと今後の構想エリア比較図では、同じ場所を示し一見何も変わらず開発をするように見せかけていますが、「佐野市は開発しませんよ。民間企業の方々ご自由に」と書いてあります。
今、日本全国のインターチェンジ周辺に物流倉庫が出来てきています。働き方改革でトラック運転手が長距離ができない。だから中継地点が必要なので建設ラッシュなのです。久喜には佐川急便の物流倉庫、Amazonの配送センター、羽生には国道122号線沿いに物流倉庫が建設中、圏央道の各インターチェンジ付近には必ず物流倉庫があります。
(圏央道 五霞インターチェンジ付近)
(圏央道 境古河インターチェンジ付近)
(圏央道 常総インターチェンジ付近)
(久喜市 Amazon配送センター)
(羽生市 国道122号線沿線に建設中の倉庫)
佐野市には4つのインターチェンジがあると自慢していますが、何もないから素通りするだけです。今起こっている物流倉庫ラッシュの波に乗り遅れたらだめなのです。ブームが去ってから場所を用意したから如何でしょうなんて言っても誰も振り向いてくれません。出流原に、Amazonの配送センターができたら、コストコの物流倉庫が出来たら、雇用の創出と他地位域から人口流入等が見込めるそんな一大事業だったのですが、市長の考えで佐野市から消えた事実は否めないでしょう。
代わりに国道50号線沿線開発を前倒しするから変わらないじゃないかとか言いそうですが、後少しで花が開きそうな開発計画と、まだ絵を描いただけの計画ではどちらの方が早く成果を上げられるでしょうか!?経済!経済!と言っていますが、タイミングを逃したら何もならないのです。
5億しか入っていない財布を持って、ちょっと調べれば最低価格が8億6千万円の土地を買いに行ったって、誰が売ってくれる。ガキの使いじゃないんだから、どうやったら納得して貰えるか考えて行動するのが大人の仕事でしょう。